「そうそう、そうなんだよ」

って本を読んだ人いますか。
NHK和田信賢アナの伝記小説です。
「そうそう そうなんだよ ― 和田信賢伝」。(岩波現代文庫)。
書いたのは同じくNHK山川静夫アナ。いい本ですよ。
 
 まあアレですね。夕方になって思うのはこうやって毎期毎期欠かさず新しいアニメが制作されているという現実がいいことだと思えることだ。
 アニメはそれぞれがすこしずつ異なった色で「現在」を映しだそうとしている、その舞台が現実の新宿でも現実の渋谷でも、あるいはどこにもない場所でも。
 
 日本にアニメがあるというのは日本には「ある視点から現在について考えた結果を公に表す媒体がある」ということである。
 ニュースでもドキュメンタリーでもルポでもテレビドラマでもなく。アニメで。
 というのはアニメはなんでもできることになっているからだ。
 もちろんそれは建前で、本当はできることはごくわずかなのだが。
 それでも、スポンサーを通して、それが通れば、かなりの自由度で「なにかいいたいことや、現実のなにかあらわれにくい風景をスケッチすること」ができる。
 たとえば「中学生日記」は、かなりの精度でNHKが現在の中学生の生きざまを表そうとしてる番組である。限度はあるけれど。
 かつてあった「女子高校生の援交ブーム」(本当はいまでもある)で、映画やその他のやつらが表そうとしていたのは「女子高校生がこうやってお金を動かしているのだ」という今までになかった方法での経済についてである。 
 お金を動かす方法は常に新しく開発されておる。あたらしい製品が魅力的でそれを欲しいと思えばそれを買うだろう、お金のあるかぎり。
 
 伝記というのは面白いですね。そのうち誰かがホリエモンの伝記を書くと思います。生前でも死後でも。
 それを小学生が読んで、ああここが日本の「ベンチャーが死んだ分岐点」なのかあ、とか読書感想文を書くのか。いやこれはあくまで皮相な感想。こんなのをこえていってほしい。