あさ

えっと怖い話。
「この眼前の、絶望的な40年の差」
http://d.hatena.ne.jp/Yashio/20121116/1353088610
 (「やしお」様より )
 
こわい。
定年まで時間さえすぎていけばいいや、というのは自分をダメにしてまわりを不快にしてさらに
世界をダメにしていく。
 
というか他部署からもアドバイスを頼られるってすごい。
 かくありたいとまでは思わない’(そこまでできるとは思えない)が、せめて、世界の広がりについてはいつも意識していたい。
 と思ったのでめいわくもかえりみず東京さ行ってきたのだ、
メモなど。
「リズムと身体運動の関わり」
『特集「リズムと身体運動の関わり」に寄せて』 岩見雅人(東京農工大学
『子どものリズムと動きの発達』 佐々木玲子(慶應義塾大学
『伝統技能におけるリズミカルな動作』 藤波努(北陸先端科学技術大学大学院)
『音楽リズム運動の生成と同期』 藤井進也(ハーバード大学医学部 ベス・イスラエル・ディコーネス・メディカルセンター)
『舞踊動作と音楽・リズムの関係』 水村真由美(お茶の水女子大学
『「間(ま)」の共創が拓く未来』 三宅美博(東京工業大学大学)
というのを聞いてきたのだが、いくつかキーワードとして
・力を入れる  よりも抜くほうが難しいしポイント
・運動制御と「きもちいい」
たとえば。ここに出てきている先生方はいろんな人がいて、体育・教育の系統もいるし工学の人もいる。
学問であるということでなんか実証的なことがないといけないので筋電図とか解析とかがあるのだが、たとえば「きもちいい」感じというのは、あまりそのような数字として表わすことが難しい、ので、かわりに違う方法で、と考える。
 
たとえばバスケットボールのバウンスで、遅いのと速いのとでは、熟練者は速いときには肩で動くが非熟練者はひじ・前腕・手関節をなるべく固めてやろうとする(ここに書いていることはsanukimichiruのメモであり上記の先生方の発表と異なる場合にはsanukimichiruの理解した内容でありますのでくれぐれもご理解を)。
たとえばドラムスティックを高速で叩く、素人の限界は1秒に6〜7回だが世界最高ドラマーは1秒に10回だ。じゃあどうやってやっているのか>?震えか?いわゆる「16連射」か?と思ったら、ちゃんと前腕などの屈筋と伸筋の命令の切り替えを全部全回やっていた、参加している運動単位が練習によって集積しており高度な技を使うことが可能になっている。
たとえば菊練りといわれる陶芸のための土を練るこねる動作、立って土をむにゅむにゅしているときに手で押すー手を引く、などの動き、あるいはサンバを練習するときにどうやって腰の動きを作り出すか、腰を上げ下げ・回転・などするときに、下げるというよりも「脱力する」という動きの方がスピードとキレがあるがそこにたどりつくまでは練習の時間がかかる。
たとえばいろんなリズムとメロディーにあわせてダンスの動きをするときに子供は手足の遠位を動かす(ジタバタしているうごきに見える)が大人はダンスにおいて体幹(腰部)の動きを出すことができる。
またたとえば自由な「遅いリズム・速いリズム」をつくりだしてください、というときに子供は「遅いといっても長い間(2秒以上)は作れないで我慢できず、遅いのという指示でも1秒前後でいってしまう」が、大人は長い周期のリズムをつくることができる〜というのは脳内でそういうのを刻むことができるということだ。ゆっくりした歌である。
 で。
 「間」である。ま。
 
いまNHKニュースで「演劇で人間とアンドロイドが共演」をやっている。ここで平田オリザさんとアンドロイドで有名な石黒教授が、たがいに、影響しあって、人間の動き発言というものを改めてみあっている。会話の掛け合いは人間とアンドロイドがそれぞれに反応しあっている。
 
 そのことであるが、さて昨日のリズムと身体運動にもどって、東工大の三宅先生は間のことを研究している。どういうものか。「相互引き込み」である。entrainment。
 メトロノームにあわせてボタンスイッチをタッピングしてくださいというときに、人間は、メトロノームではなく、そのタイミングを予測して前倒しで動いているんだって。
 つまりそれは「個人的な内的時間軸」があるということだ。
 これを他人と合わせるのが「間」というもの。
 そして。二人の間で、「Aがボタンを押すーAの押した音がBにきこえるーBはきこえた音にあわせてBもボタンを押すーBの押した音がAにきこえるーAはBの押したタイミングに合わせてAもボタンを押していく」のループの中で相互に合わせていく、共振のようなまとまりができていく。これが相互引き込み。
 この原理をつかって、たとえば、なんらかの理由で左右の脚の振り出しリズムが揃っていない患者のリハビリとして、患側の足音(着地)タイミングでの音を本人に聞かせる〜えーと健側の音も聞こえているのかな?〜ことで、だんだん、自分で左右をそろえてくることができるとのこと。
 この原理で、HONDAさんとの協力で、
http://www.honda.co.jp/robotics/rhythm/
というリズム歩行アシストシステムをつくっている。
 
 ここまでくるとまさに工学だのうという感じになる。