映画「はちどり」について

宇多丸氏がムービーウォッチメンでだいぶかなり寓意も

語ってしまっているのでオレの感想などは

余分なのだが

 

主人公が好き

 

韓国映画はいつみても少女がすごく

なんか

おそろしいほどに

少女の原型みたいな少女が登場する

「冬の小鳥」も

「パラサイト」も

そしてこの「はちどり」も

 

オーディションだそうだ

 

中学2年生

 

うつくしい髪

 

瞳の光

つよい

 

少女(ウニ)は

きかん気のつよいような

癇の強いようなそういう目に力もある芯の強い

そんな少女でも1994の韓国においては男尊女卑で

父親や兄は絶対権力で

学校

でのおかしな担任はシュプレヒコール強要するし

唯一わかってくれる漢文塾の先生が

ヨンジ先生なんだけど

 

ウニがヨンジ先生に抱き着くシーンはオレの一番好きな

シーンです

 

ラストシーンのウニ

 

いろいろあって(ネタバレ回避)

事件もあって

 

ヨンジ先生の手紙だけが残っている

 

手紙の文を

ボイスオーバー

語るヨンジ先生

おそらくは修学旅行かなにかに出かけるところの

ウニ

ウニは中学の同級生に親しい友達などはいない

ウニは目を

眼を左右に動かしている

それは

これまでの時間で世界に目を向けるよりはドメスティックな環境を

恨んだり

傷ついたり

理不尽な重みを感じたりしているだけだけど

 

ヨンジ先生の言葉が

それはその前にもらった「手のひらをみて指をみてそれを動かして」

指がうごいているということだけで神秘的な奇跡なんだ

世界は不思議な関係性のかたまりで

 

小さいところから世界にむけてひらかれることばが

そして態度が

生活は全体にむけての

変化の萌芽を

 

あたかも「この世界の片隅に」が

ほんとうに狭い家庭の世界の在り方だけを映すことで

世界的に普遍的に感情を共有できる世界を描いたように

 

ウニの家庭と中学とボーイフレンドと漢文塾とそれだけしかない

世界の狭いところから

兄や家庭への反逆や塾の経営者への罵倒など

なにかが変わる

なにかが それまでできなかったことも

できるようになる(アクション)

そう

世界に向けて一歩踏み出しているのだと思う

 

町山氏の解説(たまむすび20200728)では

「1982年生まれ、キム・ジヨン」との関連性が語られた

 

韓国も日本も男尊女卑の国であり

いまや日本のほうが韓国の後塵を拝している

ジェンダー・ギャップ指数である

 

だめになってしまっておりしかも変われない日本

 

情けなく恥ずかしいものはある

 

とにかくウニは美しい

表情が

すべてが

 

その表情は強くオレの脳にのこった

 

先生以外では

唯一

耳下腺のしこりをはじめに診てくれた医者がまともな人で

よかった

 

はちどりは羽ばたいてしかも止まっているようにみえて

そんなことはない

 エネルギーのかたまり

地団駄を踏むエネルギーのかたまりがウニだ

 

1982年・・を読んでみるかと思った

 

世界は開けているがまだまだ変わらないといけない

 

美しさもまた