短編集「アンソーシャルディスタンス」
さいごの作品「テクノブレイク」
激辛料理とセックスが好き
な女は最終的にはセックスのほうが勝っている
のだった
激辛とセックスの相性がよかった相手とはコロナウイルス感染症恐怖症
によってそれがきっかけで別れをむかえたが撮りためたセックス動画が
たくさんあるのでその動画編集を行ってシェルターをつくりその中で
オナニーを続けていくことしかいまは考えていない
というおわり
残念ながらオナニーは性的快感の肉体があるだけで
ぜんぜん気持ちよさそうではなかった
残念だ
これで5作品を読み終わったわけだが
なんだろう結局主人公たちは
エネルギー
を
もっていてセックスしたい欲ももっていて
それでちっとも妥協はできずなにかこう
世間ではこれはおかしいなというあるいみ吹っ切れた方向にばかり
進んでいくので途中からこれは後戻りできそうもないなと
読者は思うのだった
4つ目と5つ目に出てくるのだが
最終的にはリアルの社会では
いまのところまだ死滅していない人類は
コロナウイルスを完全に家から叩きだすことは
無理だ
とわかったのではなかろうか(これはオレの意見)
小説として
どの主人公の女たちも
ひとりひとり
みんなマジで
ふざけている人はひとりもいない
真剣でシリアスでそのなにかテーマがあり
美容整形でもアルコール依存でも
セックス大好きも
自殺願望も
あと一人だれだっけ
そうだ
「(意識)」
だ
やはり
この5つの中で異色なのは
「(意識)」
ではないだろうか
あらゆる意味でわからなさが強い
どうしたいのか
主人公はどうしたいのか
もちろんそれは共通で5作品とも主人公たちは「どうしたいのか」読者には
まるでわからないし主人公たちもモノローグでわからないと言っているので
あるが
この茜音という主人公がいちばんわからない
夫もふくめて男が3人いて
さらに4人目の原田が関与が深まるところで話は終わるのだが
深めていくことを主人公自らが望んでいて
そこで1人称が「彼女」という三人称にかわるところで話がおわる
(それはもう書いたけど)
そこが
どうにも離人的というか本人が本人の手を
本格的に離れたという
かんじがするの
よ
面白かった
やっと金原ひとみ作品をちゃんと読めた気がする
「熱海」とか読んではいたのだが
なんだかもやっとわからんなあと
思ってオレの意識にはちゃんと入ってこなかったのだが
それはオレの訓練の足りなさだったのかもしれない
いまは何かを読むための脳になっている
よきかな