夕食後

どうしてオレが

からかい上手の高木さん

からかわれて無様にも動揺するという役目しか与えられていない西片を

他人事として笑うことができないのかといえば

それは西片がオレだ

という同一化というか

同一である

と知っている

あらかじめ知っているからだ

オレは西片だ

なにもできないという意味での完全同一

だからこそ

見ていて耐えられないくらいの

強い誘因があるのである

傷つくことだけを再確認するようなどうにもならん

現実的にそこから成長もできないし

なにもできなかった過去も変えられないし

とにかく悲惨で

そういうものが同一だからこそそこから目が離せない

最悪だとも思っている

最悪と極めて魅力的の二が同時に発光して照らしてそれに目が眩んで一歩も動けない