あと。
今日のサンデーを読んで思ったこと。わたくしは漫画の方のハヤテは大好きな人間なのだがひとつだけ致命的なことがある。それは、どうも、ハヤテだけが人間の魂をもたない者にみえてしまうことである。他のまわりのひとびとはみな生き生きとした人間らしい人間にみえるが、ハヤテだけはまるで生きている感じがしない。苦労を背負っている設定になっていてもそんな感じがみじんもしない。正直、どこがみりょくでハムこと西沢さんやヒナギクさまがハヤテのことを好きだと言うのかよくわからない。それを言うならナギだってマリアさんだってそうだ。この漫画はそのまんまギャルゲ構造だとはよくいわれるものの、そうではないんじゃないかと私は思ってきた。がしかし最近になってまた再び、やっぱり真性ギャルゲ構造なような気もしてきた(ただ、構造がそうであるだけで、傾向は全くギャルゲの正反対かもしれない)。
たとえば今週は「むりやりヒナを映画にさそうハヤテ」であるが、何があってもヒナとハヤテがうまくいくなんてことはないんである。それはなぜか。ヒナの問題ではない。ハヤテはそもそも「僕なんて誰かを好きになる資格がないんです」てなもんやだからである。人間じゃないんである。
そのくせ表面的には誰にでもやさしいんである。天然ジゴロなのである。でも、絶対に感情移入の対象ではないのである。このものがたりを読むすべての男子からみてもあんなのに移入なんてしてらんない。全然たのしそうじゃないからである。使命感だかなんだかしらないが、どのヒロインの好意に対してもそれを受け入れる気はゼロである。だから、どのヒロインとも、ハッピーエンドになることはありえない。すなわちオール全方面バッドエンド。誰からも好かれて誰からも好かれないのである。
そんなのを見てるくらいなら、本当のところ伊澄とサキさんとどっちが好きなんだワタルくん、を見てる方がよっぽど面白いんである。あそこは、三人が三人とも人間だからだ。サキさんはワタルが好き、伊澄はワタルのことをぜんぜん友達以外の対象としてみられない、ワタルはどっちつかず。まだ人間らしい。
つまりオレ読者は、読者オレとしてはいろんなヒロインたちの困ったり浮かれたりしてる姿をみてればいいんである。
 しかしこんな文を書いたからといって750万部も売れてるコミックスの漫画をどうこうできるもんでもない。これだけ支持されてるからには私が思うようなことを露ほども思わず、逆にハヤテほど人間らしいキャラはどこにもいないと思ってる方がたくさんいるような気がするのである。まあ漫画をよむときに、しかもコメディを読むときに、人間らしいかどうかなんて考えない方が大半か。そうだよね。