めちゃイケみてた。15周年バカテストの未公開V。たのしい。笑える。
笑いって難しいのね。狙ってないもんな。狙うと笑えなくなる。
囮物語についてまとまったものを書きたくていろいろ再読とかしているのだが、そうしていると、「少女不十分」が、なんかちょっと愛おしくなってくるのが不思議である。
読みおわったときには、これはもう二度と読まねえと思っていたのに。
西尾維新の小説というのはそういう感じである。一気に読み終わり、なんか、虚脱して、しばらく放っておいて、しかしなんだかしばらくすると愛着的なものが心中に芽生えてくるのである。
不思議である。
戯言シリーズ全部読んだが、いまとなってみてはいろんな人物がそれなりに愛すべき人であるようにも思えてくるのである。
なんというか、殺人に悪意がある場合というのが、この作者の小説には、ついぞ見当たらないような気がするのである。
悪意ってゆうか悪についての考え方というか。
たくさんの人が小説の中で死んでいったけれども、誰も、憎しみ、や、憎悪の中で死んでいった人はいないんじゃないかなって。
暴力と血と痛みと打撲と挫滅とがおりなす交響曲。
なのに感情だけがどこか宙に浮いて存在するような感覚。
別に怖いわけじゃなく嫌いなわけじゃなく、ただちょっと、どいてほしいみたいな小さい感覚が、いつか大きい力になって、事態を上から圧し潰すような、そんなイメージ。