いる

人間かコンピュータか。
 
もともと人間の脳の力を、ある設定におきかえたものがコンピュータであろうと思う。演算。条件をあたえて、それに合ったもの合わないものをはじきだしていくという『判断』。ルールあっての判断を行うことについてはコンピュータにかなう人間はいない(量、速度については)。
 
 将棋における人間対こんぴゅーたの記事を読んでいた。
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35787
「「人間対コンピュータ将棋」頂上決戦の真実【後編】
一手も悪手を指さなかった三浦八段は、なぜ敗れたのか」
 
ここで面白いのは、コンピュータに勝った男、阿部光瑠四段である。
 
彼は「コンピュータとたたかうのは、(いままでの人間対人間の将棋とは)別のゲームである」という意味あいのことを言っている。
 なるほどそうか。
 
 医者という職があるのだが、かれらのしていることは「勉強してきた疾患疾病の事例をあたまに叩きこんでおいて、それに該当するかしないか、判断して、判断の結果として疾病の決定ができたならば、それに該当する処置を行うことで疾病の治癒をめざす」というタスクを実行するものである。
 コンピュータでもできる、と思うだろう。おそらくできる。
 
 できるけども。そこに、「過去の事例にはありえなかったもの」がまぎれる可能性と、「入力すべき情報が膨大すぎてやりきれない」というリスクがある。
 将棋は限定された盤の上だが、医者は人間というバラエティの大きい存在を相手にする。あと、数値化しにくい「精神面」というなぞ現象をかかえている。
 
 それでも人間のあらゆる症状がデータにおきかえられる日も。やがてくるだろう。
 
 ああおもしろいわ。