夕方

恋と軍艦」7巻 感想。
 
やっと読みおわった。7巻。最終巻のいっこ前らしいぞ。はじまりは上海での母とのバカンスの中のドタバタであるがこれはまあどうなんでしょう、そんなに、別居夫婦の実情なんて小学生が知りようもないのでしょうが、一方でこれこそ今の現代の小学生女子の知らなくてはいけないことなのかもしれない。離婚件数の増加とともに人間の「愛についての誤解とうわべ」がみるみる真実のもつ剥がし力でどんすかあからさま。
 まだ愛し合っているけれども同居もできずかといって離婚もできず。
 
 そんなん贅沢だ。好きにしれ。
 
 それで小舟町に戻ってくるのである。遠藤さんはいつも天真が爛漫である。カナちゃんである。カナって名前をつけると将来巨乳になれるよ!たぶんね。
 
 7巻は山下くんがなんだかんだでクローズアップされておるんだが、これはどうなのか、そんなに重要な人間なのか、そうとも思えないし、こないだまでのアヤさんの悪役っぷりのほうが好きだった。山下くんはたいして大きい人間でもなくただのヤワヤワ人間であるように描かれている。そして町の老人たちから中年たちから「どうせ都会へ帰るやつ」と思われている。
 
 町長はどうなんかね。まちの中年老年たちからみてライバルというか「異世界勢力」ではあるが7巻ではたいしておおきい動きがみられない。おわりの方の「同性愛なんとか」のビラのことくらいである。
 
 世界が大きいのか小さいのか。
 
 オレはもう初老である年代にさしかかりそれでもなぜ「KCなかよしコミックス」を読むのだろうか。まったくわからん。わからんなりに考えるとそれは西先生が漫画を描いているからであり、
 それは西先生という方がオレにとってははみだしっ子三原順先生と同じくらいの大きさを持ってオレの精神の世界の中にあるからではないか。なんかもうとりつかれみたいな。
 
 オレは結局人間というオレと同種の人間の他の人間から強い結びつきを得ることなく人間の生を生きてきてしまったので今後もうありえなく、それで書物や漫画や映像作品を通してでしか強い影響をもらうことができなくなってしまったのであった。
 ある意味理想的である。