いやそれでね。(注・さっきのつづきです)
その女子アナがまたブサ可愛いんですよ。ブサ可愛いといったらハローの専門分野ですからねもう。その道のプロみたいな。
 突然ですがさっきまで夕食食べたあとに「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」を読んでたわけなんですがなんか気持ち悪くなってきて。気分が悪くなってきて。ムカムカしてきて。まあ冒頭に出ていた女が単にハメたってだけの話で。それに対抗しようとしているハメられた男(主人公)がまた交渉相手の男に対して変に上に立とうというかなんというか。その「上に立とう」とする姿勢がキモチわるい。
 上に立ってどーすんだ。気分の問題だろ。本質的にハメたりハメられたりの関係はどっちにとっても弱みある関係だろ。そういうの好きでやってるからにはいつでもとっぱらいの覚悟くらいあってしかるべきじゃないのかね妻子ある身のくせに。だいたいこの主人公は妻子あって妻と仮面で娘に対しては殆ど何もしていない。死んだ息子のことばかり。娘とのつながりほとんどない。と言ってもいいのではないか。
 なんでハローのブサ可愛の話から突然小説の話に飛んだかというとなんかもうね、そんな「メディアにコネがあるから女抱かせるかわりにレギュラーとってやんよ」ってのを臆面もなく堂々としてる主人公がでてくるこの小説がなんか気持ちわるいわけですよ。
 逆からいうと、その子が可愛いから応援してるからじゃなくて、えーと「オレは権力でもって女を抱くことができるくらいエライんだ」って上からの立場みたいのを持ってることを再確認したいだけじゃないですかあ。
 そんなんだったら、なんかブサ可愛い女子アナにせまられてこれがまたいいカラダしててブサだけど可愛い顔してるしなんかオレの収入もコミでオレと付き合いたいみたいだからいまの妻は仮面とかじゃなくてちゃんと離婚してこのブサ可愛い女子アナとつきあうことにするよ、って方がよっぽどいいような気がする。倫理的に。
 こんなところ、こそ、「倫理」の文字を置くにふさわしいわ。