無頼化する女たち感想続き

しかし、「正しさと望ましさ」という対立軸は素晴らしいと思う。あと、中村うさぎについての掘り下げかた。

オレが思うことは、一つのキーワードが全てを説明しえないということで、「無頼化」は、ある方向を指し示して語ることを可能にしているものの、女性すべてにとっての理想ではない−ってこと。

個人として独立していたいのか、依存したいのか。共依存という言葉も発明された。
個人という概念はそれだけで少し涼しい。風が吹いている、個人と個人の間に空間がないと風なんて吹くことができない。
空間があるなんて淋しいという人もいる。
しかし、自分の考えや好みが透徹されることが一番気持ちいいというのもある。
他人がそこにいるだけで、他人の体温があって輻射が発生する。空気が混じりあう。
それをすばらしいととるか、純度が低下したととるか。

著者がこの本で旦那との温かい感情のやりとりみたいなのを一切語らないのは、本書の意図とそぐわないからなのか、はたまた。

その辺が、出歯亀根性として気になるのだ。でっぱのかめきち、だっけ?