しかしながら

他人と同居するというのは大変なことだ。
毎回オレは実家に帰省するたびに、ああ、こんな両親と同居するなんて無理だぜったいオレにはできないと絶望して帰っていっている。
なにしろ独居は自分のしたいようにしていいし食べ物を自分が好きなものを好きなだけコントロール下に置いていいのである。あたりまえ。
 
 他人のつくったものを食うというのがどうも肌に合わない。
 
 母であっても。
 
 というかここ2年くらいで気がついたのだがうちの母は食事をつくる作業がけっこう圧倒的に下手であることが判明しつつある。
 昔から、断続的につくって出してつくって出しており、父が先に食べ始めるので、食べるペースが父と母は全然違うのである。おわったころに母がやっと食べ始めるのである。
 これは単に父がせっかちであることが原因と思っていたが、実は、母の、食事つくるマネジメントが下手であることによった のだった、と思っている今では。
 
 そして年をとったので手際も悪くなってきており、もはや、あまり、手料理が、旨くない。
 昔はそこそこ旨いと思ってくっていたが、今ではオレが自炊してる味付けの方が遥かに美味であるーまあ当然だ、セルフで方向性を考えてこうしたらこうなるを実験してたどり着いているのだから。
 
 料理ちゅうのは根幹であるのでこの一件だけでも同居なんて無理だ。
 
 何を書いているのかと思われるむきもあるだろうが、
 いま、オレは、改めて料理の「生活における優先順位」のナンバーワンとでもいうべき地位に気付いたのである。
 うわー大発見だ。

ぎくしゃくするくらいなら別居の方がマシな親孝行だと考える。