よる

家族について考えるなんてね。
 
さて「言の葉の庭」を見た。新海テイスト満載の丞。そういうもんだ。
 感想・
 くるしみあふれる世界なのかもしれないが。
 ケチをつければいくらでもあるけれど。
 仕事と人間の関係についてはファンタジックであるべきなのかリアリスティックであるべきなのか。それは原作の趣味による。
 たとえば「耳をすませば」で、ジブリがどういう職人を描いたかというとヴァイオリンが好きでつくって修理してそしてイタリアに留学するという中3だ。しかし彼の内面はほとんど描かれない。この作品は中3女子の内面がもっとも重要だからだ。
 言の葉。主人公は高1男子15歳。普通ならオナニーに忙しい年代である。しかし彼はストイックに靴職人をめざして休みになればバイトに励んで専門学校の学費をかせごうとする。父はおらず母ひとり(よく家出する)。兄も恋人と家を出ていった。
 言の葉。女主人公は高校教師であるが生徒からいやがらせをうけて出勤できなくなり退職。27歳。
 両方ともその内面は描かれる。世界はリアリスティックでもありまた美しすぎるきらいもある。
 恋のはじまりのようなものが描かれる。
 
 で、だ。
 内面があってもなくても、どこかに「その外側はどうなっているのか」という疑問がうまれる。
 
 まあ世界をまんべんなくすべて細密に網羅して描くことはどんな作家にもできないのである。どこかを切り取っているのである。新海氏のつくる世界は目的ある感情が細密でそれの邪魔をする事柄が存在する世界だ。
 いっぽうでジブリが青少年少女を遊ばせる世界は目的がシンプルでそれが最終的に汗と奮闘との末にかなうという世界だと思う。あくまで少年少女のばあい。
 
 どっちもどっち。