著作を並べる(2冊

 

『No time to spare』

日の名残り

を並べると小説とエッセイと言う違いはあっても

老年についてのことであることは共通性があって

なにしろLe Guinは自らが老年であることについて語り

他人が老年について語ることはほとんどすべてが自分を苛つかせ

こっちの老人のいうことは他人は聞こうとはしないこと

(だれも老人の老年についての警句など聞こうとはしない)

気力や思い込みで若くあろうとするなんてアホなことはホンモノの老人は誰もしていないこと

などなど

かなり辛辣に怒っている

 

 日の名残り

においてはスティーブンスは自らの父の老いを

語るときには悲しみもあるが父は手でトレイを持てなく

なったあとはワゴンでうまいことやって

現役のまま卒中で死んだので

オレからみればいい感じで死んだと思うけど

本人としては「執事の本分を果たせなくなって・・生き恥・・」くらいに

思っているだろうて

そしてスティーブンス本人もまた

老いて

新しい主人について考え

ジョークの特訓をしようかとか思いながら

前のご主人は決して戦犯などではない・・・!・・・と

信じているわけだが世間の声に忸怩たるものもあり

ミス・ケントンのことほんとは好きだったんだろおいとか他人から

言われたら橋から飛び降りちゃうんじゃないの的な

そういうことを言ってはいけません

彼は執事道たるものに殉じたのですから

みたいな

そうかな

どうかな

 

LeGuinがどのくらい怒っていたかはどうなのだろうかエッセイ集にはフェミニズムの第二波のあたりの回顧もあるのだが

 

なんにせよオレが生きているかぎりは

フェミニズムが絶えることはなく

おっさんが好かれることももうないであろうな

これが絶望じゃわい