『腹を空かせた勇者ども』

本日の横須賀行きはあえて往復とも鈍行にしたので時間だけは

たっぷりあり

眠気もそこそこであり

あえてそれしか本をもっていかなかったので

『腹を空かせた勇者ども』じっくり読んだ

 

人間と現代

そして現代を生きる人間の問題たち

家族

 

『デクリネゾン』もそうだったが

母と娘である

デクリネゾンでは主人公は母で

腹を空かせたは娘だ

 

よくでてくる架空の芸能人とかの固有名詞は

それっぽい感じをつよく感じさせる

 

がしかし何よりも人間が14歳が高校1年生が

そこに生きてジタバタしてるなあとすごく強く

感じられる(そのくらい暴れて行動して問題がおきて

なやんで他人に相談してママに助けをもとめて)

こう書いてみてわかったが

今回のこの

腹を空かせた

は徹底的に(あえて)内省的ではないつまり直接行動的主人公が

まあ若くていつも腹が減っている思春期の女子が

行動あるのみ

とばかりに行動し他人とぶつかり他人と仲良くして

ものすごい深刻な事態が起きるわけではないが

わんわん泣くような苦しい感情には遭遇する(母の不倫が受け止められない)

そしてそのあとで受け止められるようになる

 

そういう感じが伝わってくるなあ現代

令和の現代

コロナ時代の現代って感じがすごくするのである

 

オレが大昔『69』(村上龍)を読んだときも

すごくこの少年は暴れてるなあ

と思った

羨ましいと思ったね

 

まだ最終章をよみおわっていないけどどうなるかって

たぶん決定的な変化はもう起きていると思うので

いいと思うけど明日返すから図書館に

 

なんにせよいい読書だった

 

横須賀の帰りに桜ヶ丘(小田急江ノ島線)にいき「冒険研究所書店」に

いった

実際の冒険家が経営する書店なんだって

いやーたのしい棚だった

たしかに日本であそこまで探検や登山などに特化した品ぞろえはなかなかないね

それにくわえて

政治 人類学 食事 植物 世界の地誌 歴史 

まああれだ理科系だって気候とかあるし動物もあるし

なんというのかねえ

 

汽水空港(東郷池のほとりの古書店)にいったときも思ったのだが

ジャンル別の棚の圧倒的な「精鋭」だけを並べた感じもあるし

 

もうひとつ

 

なんというか日本の左翼の失敗を踏まえた上での

反体制だけど反体制とは標榜しない上での

個々の人間がどのように個々のままでやりたいことを

実現していくのか(しかも体制から犯罪者扱いを受けない方法で)

しかもそれはエコロジカルであるーようになるように

配慮していくーそれこそ「森の生活」がはじめて「森」が

人間生活にとってあらためて発見されたような感じのエコロジー思想

 

なにしろエコロジー思想は経済発展とは基本的にあいいれないから

 

そう

反経済なんだけどそこは反経済って言わないでかくしておくような

したたかさみたいな思想的党派を感じるんだよ

とくに

こういう地方とかにある独立系書店・古書店

皆そういうことを考えてるんだと思うんだよ共通点

 

を感じるってだけでオレがたまたまそう思うだけであって

別にそれをくくりたいわけではない

 

ただ基本的には反経済であるようにして人間の理性的な知性を信じるというか

だって経済推進は焼け野原しか生まないしねえ

(もうみんなわかってるんだろ)

思うね

 

『デクリネゾン』も『腹を空かせた』も

どっちも母は離婚して別の男と暮らす方向を目指している

そして離婚された「父」は別に母のことをそんなに恨んで

いない

という共通点があるんす

どっちの母も娘に対して大きい愛があるんだけど

どっちの娘も母に対してそんなに大きい愛で返してはいない(もっと

複雑な気持ちがあるのでストレートには返せない)

 

まあ娘から見た母ってテーマは永遠に書けるんだろうなあと

思うべ

こっちは息子からみた父を書くしかないのかもしれないが

父はさらに不透明な存在だからなあ