星野智幸著
今日が図書館かえすしめきりだったので一気に読んだ
一気に読むのがいいと思う
新聞小説だけどさ
それでもこれは一気がいいよ
ひとりの男性の死ぬまでではなく生きてる最中初老までの人生である
小学生からそこまで
1965から2022まで
日本と世界の事件リアル事件がありそして小説的フィクションがある
ひとりの男性は架空日記をつけるのでそのなかでは微妙にかれにおきた
こととおきなかったことが語られる
だから読者は実際にどっちだったのかをしるような知らないような感じである
でもメインのテーマは性自認と自分というものが拡散し並行し運行することである
実際問題かれはクィアであるようなことを自分で言うもののクィアであることにも確証はないしゲイであるとは確証がないしなんだかそれはわからない
女性のみなさんと結果的に同居に近い近居の初老をむかえる
そこはよかったねえと思う(読者として)
全体小説に近いようなさまざまなことが関わってくるが
性であり女性の不平等であり政治であり外国人労働者であり
移民である
メキシコの食事のうまそうな描写のうまそうなことといったら
ともかく長編小説は一気にいくとたいへんよい読後感があって
それは小説読みの快感としてたいへんよかった
この著者は『俺俺』の人でありそれは
カバー画が
石田徹也の画である
それは偶然小説家が「オレの小説の内容がもう絵になっている!」と
驚いたという
そりゃあ驚くでしょうなあ
しかしこの小説は性がテーマであるが
実際にセックスするかというと1人としかしていないのである
パートナーという存在を持てない(そういう考えではないから)
からである
だから孤独にもなるし消されたいと思ったりもする
カタルシスはなく小説はおわる