asita (「私はあなたの瞳の林檎」)

明日図書館に返すまえに

とりあえず『私はあなたの瞳の林檎』から

「私はあなたの瞳の林檎」を読む

 

すごい若い

すごいなあと思う

若くて

 

そしておよそどこにも瑕疵がないようにも

みえるし

同時にどこかが奇妙すぎるようにも見える

両義性

主人公の少年のことだ

 

女の子を好きになって好き好き言っていて

しかし女の子が

たぶん彼からみて謎なのである

そして謎のまま最終的なところが無く

この短編の終わりはとても

宙ぶらりんの怖さのままこのままなにも

定まっていなくて

いつでもぶっ壊れる予感だけを濃厚にしめして

終わるのだ

そこが

すごい

 

希望があるようで

怖さと同居なので

ぜんぜん落ちつかず安心もできず希望も明るくない

いいんだ

あかるくなくたってぜんぜんいい

そういう短編