映画「父は憶えている」について

キルギスの作品です

 

ロシアに出稼ぎにいって23年間消息不明だった父

その父をネット情報からさがしあてて連れもどしてきた息子

父は記憶喪失

母は父が死んだものとして村の有力者からの求婚を受けてそっちと再婚

しかし父が帰ってきたことで

 

以下騒動 というか・・・

 

オレの理解力の問題かもしれないが

おはなしは

最終的に

わからない

しかし映画的なものがある

映画的なものってなんじゃいな

 

いうなれば

サスペンスを勝手にこっち(観客)が感じてしまうような

緊張感

 

一人で歩く人はこの映画では

母(再婚した)だけだと思うが

 

この人がまっすぐ歩くシーンが2回ある

 

どっちも正面からカメラがとらえていて

 

母はカメラに向かって歩いている

よって

 

いつでも横や後ろつまりカメラの死角からなにかが

飛び出してくるかもわからないとオレは思っていた

そうはならないのだが

 

オレが勝手にそう思っただけだ

 

この映画は最初から最後まで「問題」が解決されないのである

 

問題はつまり平穏が破られてそのあと平穏に戻るまでのあいだ

どうするんだっていう

 

そして映画は平穏には戻らず終わるのである

そこがまた

 

つまり

 

なんだろう

悪い奴がいる

 母が再婚した相手は村の「ワル」で「高利貸」つまり暗黒である

暴力もふるう

この男のさらに母親がまたきわめて悪い顔をしており

最悪といってもいい

姑でこのくらい悪い顔っていうのは世界ランキングでもトップクラスだろう

 

姑は言うのである「あの男(帰ってきた父)のところに

うちの嫁が逃げていったなんてことになったら

おまえは恥さらしだ」とか言うのである(台詞は忘れたが意味はこういうこと)

 

つまりワルの家であるが村の中でのメンツもあり

父がいなくなってその女に求婚して妻にした以上

逃げられるなんてことがあってはいけないのである

しかも原則イスラム社会では妻から離婚はできない

(できる方法もあるって坊さんが言うんだけど)

 

だから離婚を切り出すとワルの男は暴力をふるうのである

それまで弱いところを見せなかったのにね

(まあこのワルもその母親には弱いところをちょっと見せていたが)

 

それ以外にも村ののんべえの爺どもとか素性わからぬ頭の弱い男とか

ほのぼのでありながら話はリアリズムですすむ

 

わからんのは

 

自転車が車においつくことだね

車社会になっているんだけど

自転車の人とかいて

 

車を自転車の人が止めて「金かしてくれ」とかいっているんだが

そのあと自転車は車においつくんだよ

スピードちがうのになあ

 

ともかく「父」が記憶喪失なんだけどゴミをあつめるのである

あつめる男

そして

ひとこともしゃべらない

言葉を理解しているのか?

よくわからない

 

孫娘はその男の髪を切ったり

なついている

 

というかはじめて見たんだろその男を

よくなつくなあ

 

火事がおこるんだけどなぜ起こったかはわからない

 

ゴミをあつめたトラックは水で洗うのだが

その場所がまた独特で

平な場所に塚をつくってその上から水をひいてシャワーのように

水が滝のごとく落とす

そこをぐるぐる周回して車がそこを通ると水シャワーをあびるという寸法

あんなんするのねえ

 

ともかく

 

かえってきた父の

息子

その嫁

その嫁のこどもはふたり

幼い娘とさらに赤ん坊

のふたり

キルギス人の年齢とか顔みてもわかんないけど

たぶんあんないかつい女性だが生まれた子からしてたぶん若いのである

つまりその上の世代の「父」や「母」もまだ若い(初老という年じゃない」の

だと思うのだ

 

だからこそ

23年ぶりにかえってきた「男」が

「嫁」を取り戻すのではないかと危惧しても不思議ではない

 

でも最終的にこの記憶喪失の男は何がしたいのかとかわからないし

空は広く

根があらわになった木々のシーンがあるのである

よくありますね

年々だんだん木の根っこが地面から浮き出てきて

タコの足のように見えている感じの林

そこがファーストシーンであり

ラストシーンでもあるのである

 

わからぬ

 

映画だった

まさに映画