かるい午後

午前図書館A(しばらくAあるいはTしかないのよ)

にいって『私の消滅』をよみはじめて読み終わる

大変読みやすい中編

著・中村文則

あとがきを読んだら中村氏はデビューの『銃』

からこの『私の消滅』

までの17作がすべてつながっているんだって

この17作目からよみはじめたオレはバカか

とも思いますがまあいいでしょう

 

なんだか「どの街」とか「具体的な家の刻印」みたいのを

よっぽど書きたくない感じである

架空のまち架空の学校架空の家族

そこにいる人間だけがやけに濃くリアルな動きとリアルな感情を

もって他人を傷つけたり殴ったり電気をやったりしてるのである

そういう感じね 実験的なこういう舞台をつくって人間をのせると

人間はどのようにうごくだろうか?みたいなかんじ

そういう小説

 

たとえばはじめのほうで「妹を突き落とす」

んですけど(このくらいはいいだろネタバレとかいうな)

落とされたほうの妹はどう思ったとかそういうことは一切出てこないのですね

それはそういう小説で組み立てに入らないものは省かれている

そうだろうね

 

それこそ途中である男がある女性と仲良くなるシーンとかあるん

ですけど

それこそ設定としてはこの女性は大変に「同情されるべき悲惨な事件の被害者」で

あるのですがそれがためにこのある男と仲良くなってそれでどうなるかってべつに

どうにも幸せな話にはならんのですが

幸せではないが不幸のバリエーションはたくさんあって

なんだろうなあ

ある意味でグロの展覧会とでもいうのかなあ

なんていうのかなあ

 

 

オレはいつもなにかあると佐藤友哉の小説のコドモがハモノでサツリクされる

ザンギャク描写を思い出すんだけど

考えてみればあれも展覧会のようなものだね

それによってなにかを惹起させたいのだが

けっしてその被害者に同情とかを誘いたいわけじゃない

(なぜなら同情とかはるかにこえたフィクショナルなザンコクだから)

 

 

一方で読み途中でたぶんそのまま図書館にかえしてしまう『草薙の剣』

橋本治

時代 が主人公だってよくわかるしその中にいる人間たちはやけに濃くて

時代もまた特別な刻印をおされている明らかに特定の

英語で言うと「THE」である

定冠詞がふさわしいそのくらいのこの時代この場所だけのことをやっている舞台で

この人間におそろしく凡庸な名前が与えられるが人間の行動はそれぞれが

じたばたしており

おまけに三人称で書かれる物語は「~~ということは知らず」みたいな

書き方をするので神の視点はなにもかも明らかだという視点で

「●●はさみしいという感情をまだ知らず呆然としていた」みたいな

感じなのである

このあたりがいわゆる一般的小説とまるで違うところで

橋本治の小説は初夏の色という短編集があるんだが

これもまたそのような雰囲気で

地の文はすべてがわかっている神が書いていて

人物はみな「わかっていないまま翻弄され」という人物ばかり

である

そういう書き方

他のすべての小説と違う

 

あんまりそこまで特殊だとかえって一般にはウケいれらんないのだろうとか

思ったりする

 

あと小説読んでたら午後になっていたがそのあと

ららぽーとに行って2024てちょうをかったら

もう「路線図」とかの付録はついていなかったので2023のものからやぶって

2024手帳に付録させとくことにした

象徴的だね

 

ついった(現X)は地震と航空機炎上から2~3日たってますますカオスって

おり

不快なのでしばらく見ないことにする

バカが多すぎてそれをいさめる文も多すぎるのである

どっちも見たくないね

オレは