アルバイトをマレーシアで。

えっと1996の話である。
 
そのころ。オレは「小道具」バイトを予定どおり2年間で終了して(好きだった子もふりむいてくれないしねー)、高校の同級生とともにタイ・マレーシア・インドネシアの旅行に出かけるのであった。放浪である。
 
 放浪というときこえがいいが、逃避である。
 
 簡単にいって26くらいの年になっていてまだなにも達成しておらずアルバイトの人間であり、なにもできない。したいこととか特にないのである。
 でもその同級生の親がマレーシアに勤務していて(日系企業。)、そこをある程度の拠点にもできるということで、そもそもが海外放浪というのは一回はしてみたいと思っていて、なぜ行ったのか
 
 ということはよく覚えていない。
 でも日本にいなくて海外にいるという環境は憧れでもあった、

 日本にまつわる様々な「軋轢」から自由になれるような気がしていたからだ。
 
 で。
 
 まず、タイに着いた。ドンムアン空港である。そこからまずは安宿にいかないといけない。
 夜である。
 
 列車も考えたが、まあバスのほうがいいだろう。
 
 他のバックパッカーたちにまざって市内行きのバスにのる。
 
 ムエタイで有名なスタジアムのそばの安宿に狙いを定めている。クーロン黒澤氏の書いたバンコクの本を参考に。
 ついたところ、安宿の中華系とみられる宿主はぞんざいな対応でわれわれ日本人若者を迎えるのだった。パスポートを出せ。それともおまえらは(パスポートも持たない)ヒッピーか??
 と怒鳴るのであった。
 なつかしい。
 
 まあタイは暑かった。でも全てのくいものが旨かった。なかなかアルバイトまで辿りつかないがこれはこれである。