広く衆目を集める

のは難しいねええ。
今日は講演を聞いてきたのだが。映画監督の。
彼の言っていたこと
1、「難しいところにチャンスがある」と柄本明が言っていた
2、「の」の入っているタイトルはあたる、と宮崎駿が言っていた
 
 なるほどー。
その監督さんは「余命一ヶ月の花嫁」の方です。
いろいろ映画について語っておられまして、その細かいところがおもしろかったです。おもしろかったというか、この人は本当に映画がスキというか映画との間に紐帯があるんだなあというか職業と人生の一体化というか。
ただ、客が「映画好き」のやつらではなく、「健康とかに興味ある普通のおっさんおばさん」が多くてなんか多分やりにくかったと思います講演。それでも細かく、映画と実際の話の間のズレとか、実話を映画化なんてしないほうがいいと当初は思っていたが、なんかいろいろ関係者とかに会っていてそのうちにやったほうがいいかもと思えるようになってきたとか、撮影をはじめてそれでもまだしっくりいってなかったのがあるところから「これはできるかもしれない」と変化してきたとか、そのへんのことを語るその語り口が、実際のそのことを思ったときと、現在と、間隔があいていて、回想の中での光景を言葉にして語るときの懐かしむ感じが混ざったところが、聞いていておもしろかったです。というかそうそう、そのいう、いっちゃなんだけど「味付け」があるから他人の話はおもしろいと思うのであった。こないだ聞いてきた高次脳機能障害の話も、現場の苦労について「これがもう大変で」みたいなことを本人が懐かしむというか改めてその大変さを本人が味わいながら語っているから聞いているほうもおもしろいのである。語り口というのではないのかもしれないけど、やっぱ、作り話ではなく体験記に属するというかそういうことについては体験そのものの濃度密度がかなりのところ影響するのではないか。
 ほかに「どのくらいそのことを伝えたいか」とかもあるとはおもうけどね。