よる2

尊厳死と難病と終末期医療とについて。
 
 誰が、難病の戦いを続ける人にたいして、「尊厳死」を迫る、のだろうか。いかなる場合にあっても、あなたは自殺したほうがいいんじゃないの、と迫るのは自殺の教唆であって犯罪である、犯罪なのにそういうことを言うやつがいるのである。
 
 そういうことを言う奴がいるという人間の悪の側面が、穏やかな尊厳死を普及させない最大の原因だとオレは思っている。なぜなら穏やかな尊厳死であっても法制度に入れてしまったがさいご悪をもつ人間があらわれてすべての難病患者にむかってすべての終末期患者にむかってすべての病めるものにむかってあんたは医療費の増大の原因なのでいますぐ尊厳死ってやつをえらんだほうがいいよと告げるのである、
 
 おそろしい事態である。
 
 オレはここでわざと大げさな言い方で露悪的に書いているのだが、これが、時に冗談ではなく、どこかで真実になりかねないなるかもしれない、なるかもしれない。
 
 それがこわい。オレはどうしても個人として個人的に尊厳死させてもらいたいのに。麻生氏と同じ意見なのに。それを言うだけで批判されてしまうのはこの極端な事態をひきおこす馬鹿のせいだ。
 死についての意見はすべて個人的なものであるはずなのに。
 
 まあ個人的なものを法に入れるからいけないんだけど、入れないと医師が殺人罪に問われるんだよ。多くの医師が尊厳死をきらいなのはそこだ。
 というか尊厳死という言葉だけでもあいまいな状態にさらされている。
 
 というかオレももうちょっと勉強しないといけないんだけどさ。