書籍『Schoolgirl』

図書館でかりた

表題作よんだ

「悪い音楽」はよみきれんかったんで文學界本誌のほうでよむ

 

さて

面白かったが「もうおわり!」と思った

さいごで

 

でもこれでいいのかなあとも思った

 

YOUTUBE配信者という娘(世界のために正しいことをしないといけない)

母(文学が好き)

 

しかいない世界である

父親はどこかにいるんだけど仕事でいつもいないし

どっかにいっているんだろう

不在である

 

YOUTUBE配信といってもそれをみている人のスパチャとかコメントとかは

出てこない

 

かろうじて出てくるのが

医者(カウンセリング)と母親の不倫相手と太宰治である

 

主人公たちが女性二名で

それ以外は男性三名である

 

おもしろい

 

女性二名たちはどちらも

生活に困っていないし

苦悩~~苦悩してはいない

と思うしそう見える

考えていることはあるんだろうけど

それによって押しつぶされそうとか

死にそうとか

ごはんも喉を通らないとか

そういう

なにか大きい目にみえるダメージは無い

ないようにみえる

本当はあるのかもしれないがそれは質的な問題

 

女性2名のうち娘のほうは「世界の真実に目覚めた」ために

「愚鈍な母が許せない」のであり「世界を正しく修正しなくてはならない」

からこそ英語のほうが得意なのに

あえて苦手な日本語で語るYOUTUBE配信をはじめたということだ

 

インターに通う日本人子弟は皆そうなるのかって?

英語のほうがネイティブになるって?

そうかなあ

 

とか思ったけどそれは別にどうでもいいことなのでつっこまない

 

きめつけは危険だけど

 

”こう見える”という範囲ではともあれ

娘はYOUTUBEに向かって独り言を言っている

なにもなにかが返ってくるわけじゃないからね

 

母は娘を理解したいのかなんなのか正しく育てたいのかなんなのか

その欲望または義務感の形がはっきりしない

はっきりしないように書かれているように見える

 

母は不倫セックスをするわけであるが

相手にもそれなりの欲望があると思うのだが

男のほうからみてこの「母」は魅力的なセックス相手なのだろうか???

と思ったがそのあたりははっきりしない

わからない

男からみてこの「母」はたとえば容姿や肉体や性感や言葉が

魅力的な人物だから不倫セックスの相手に選んだ

のかどうかは分からない 記述がないからだ

男は自動セックスマシーンみたいに見える書かれかただと思う

 

そういう意味では「母」のほうにも確たる動機も確たる意思も

ないように見える

なぜわざわざ不倫セックスをしないといけないのか?

 

まあとにかくそれでAIスピーカーが出てきたり

SNS上での配慮に欠けた書き込みとか

いろいろ出てくるわけですが

結局は母のクローゼット内書庫から太宰治「女生徒」が出てきて

 

それが戦中に書かれたもので

 

そして

 

その作品の中に出てくる「あなた」は

誰なのか

 

誰なんでしょうね

 

なんだかわからないのは途中から娘の語ることが

母親

お母さん

という言い方になりそれは「女生徒」の中でお母さんという

単語が頻発するわけだが

娘もまたお母さんお母さんと

 

たくさん言いだすわけで

 

これが

 

女子としてうまれた人はみなお母さんとの関係性について

何かを悩むべきなのか

何を考えるといいのか

何も考えなくていいのか

規範があるのか

好きなのか嫌いなのか

ニュートラルではいけないのか

ニュートラルであることはありえないのか

 

そしてこいつらは今後どうなっていくのか

 

 

もっと小説をたくさん読んだらいいんじゃないかなあ

きっとその世界はひっくり返ると思うんだけど

どうして人間は古代から「この現実」ではないものを

つくろうとしているのか

岩に壁画を描き

ミニチュアをつくり(それは遺跡から発掘される)

お話を口承で

よなよなかたり

どうしてそんなことをするのかなあって

想像するのはいいと思うんだ

自分がだれかの作品の登場人物であることを想像するとよくねむれる

と作品中で言われているのは良かったなあと思うんだ

とくに根拠はないけどオレがそこ好きだってだけ

 

 

(追記)

どうしても油断と言うか何も考えずに書いていると

すぐ

登場人物を実在の人物であると思ってその人物にむかって

語りかけたくなるのであるが

そうじゃないそうじゃないと常にオレはオレに言い聞かせないといけないなあ