3つ(竜とそばかす/平民と奴隷/時間の認識)

・竜とそばかすの姫とそばかす少女の系譜

 

 

 

 

 

・奴隷の立場と人生のつらさについて

われわれはいまこの世(日本)では全員が平民である(天皇を除く)が

平民だから安穏だということもなく

実際は「奴隷」であることに気がついていないだけかもしれない

奴隷といえばエピクテトスであり

エピクテトスといえばトム・ウルフ『A MAN IN FULL』(「成りあがり者」)

である

いい小説だった

なにかこう力というものを感じるのである

捨ててないはずだからまたよみたい

またこれがアメリカンのホワイト・トラッシュの描写と刑務所内の描写がいいんですよ

トム・ウルフは現代美術にも一言ある人だった(著作がある)彼のみていた1970年代の現代美術が

丁度ラウシェンバーグポロックやロスコの時代なのである

ちょうどかれらの美術は時代の寵児となっているわけだが

ウルフは「わからん」「なにも感じてこない」というのである

しかし美術のほうは時代をへて残ったのである

いまでも

そこが面白いなあと思う

美術は具象から遠く離れたがそれでもなにかをのこしたのだ

それは

たとえば陶芸は具象でもなんでもない方向にいったが

のこっておるということ

とか

なんだろうねえ

考えてしまうね

 

・時間を感じることが人間には時間を正しく感じることなどそもそもできないようにできているのではないかつまり人間は時間を感じる能力がないあるとすればそれは壊れた各自の認知が時間をそれぞれの方法で感じるだけでぜんぜんそれは客観からほど遠いものなのだった

そのくらい人間は個別性が高く時計を信用さえもしない

(だから人生をふりかえるときにおかしなことになって

自分にとってのいいところはクローズ・アップとなりそれ以外は矢のようにぱらぱらと過ぎ去っていくだけでなにもない空疎なのである)

なんでそういうことを思ったかというともうすぐ読み終わる『MUST I GO』(イーユン・リー)がそういうかんじのおばあさんが過去の男の日記をひたすら読みひたすら自分勝手な語りをしまくる話でしてな・・・

自分勝手かどうかは読者に委ねられていますけどね